ココロをととのえる5分 - 毎日5分今日「できたこと」に目を向ける習慣

毎日5分今日「できたこと」に目を向ける習慣

Tags: できたこと, 習慣, 自己肯定感, 心の健康, 大学生

新しい環境に飛び込んだり、学業や将来のこと、人間関係など、考えなければならないことがたくさんある日々。私たちはつい、「これもできていない」「あれも足りない」と、自分にできていないことばかりに目を向けてしまいがちです。

一生懸命頑張っているのに、足りない部分ばかりに意識が向くと、心はだんだん疲れてしまいます。自信をなくしたり、漠然とした不安を感じたりすることもあるかもしれません。

そんな時、少しでも心を軽くし、前向きな気持ちを取り戻す手助けとなるのが、毎日たった5分でできるシンプルな習慣です。それは、今日一日を振り返り、「自分ができたこと」「取り組んだこと」に意識的に目を向けること。

私たちは完璧ではありませんし、すべてが思い通りに進むわけではありません。でも、どんな日にも、必ず何か「できたこと」や「前に進めたこと」があるはずなのです。

では、具体的にどのように行うのでしょうか。決まったやり方はありませんが、例えば次のようなステップで試してみてください。

落ち着ける場所を選ぶ: 椅子に座る、ベッドに横たわるなど、心身ともにリラックスできる体勢をとります。
静かに今日を振り返る: 短く時間を区切り（例えばスマートフォンのタイマーを5分にセットします）、静かに今日一日を思い返してみましょう。
「できたこと」を探す: 朝起きてから今この瞬間までで、「できたこと」は何だったでしょうか。
- 今日のタスクを一つこなせた
- 授業に出席した
- 誰かに挨拶をした
- 頼まれたことを一つ実行した
- ご飯をしっかり食べた
- お風呂に入った
- 少しでも体を動かした
- 嫌なことがあったけれど、なんとか乗り切った
- 新しい情報に触れた
- 誰かに優しくできた
このように、本当にどんな些細なことでも構いません。「できたこと」の大小は一切問いません。呼吸をすることだって「できていること」です。 4. 心の中でリストアップする: 思いついた「できたこと」を、心の中で一つずつリストアップしていくように感じてみましょう。「あれもできたな」「これもやったな」と、できた側面に意識を向けます。 5. 自分をねぎらう: 最後に、「今日も色々なことができたな」と、頑張った自分自身を軽くねぎらってみてください。

慣れてきたら、ノートの隅やスマートフォンのメモ機能に書き出してみるのも良いでしょう。書き出すことで、より具体的に自分の行動を認識できます。

この習慣は、私たちの心の状態にいくつかの良い影響をもたらすと考えられています。

物事の見方を変える練習になる: 私たちは無意識のうちに、できていないこと、足りないところに目が行きやすい傾向があります。意識的に「できたこと」に焦点を当てることで、バランスの取れたものの見方をする練習になります。これは、悩みや不安にとらわれやすい心を和らげることにつながります。
自己肯定感を育む: 小さなことでも「できた」と認識することは、「自分はできる人間だ」という感覚を育みます。毎日の小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ自分自身を肯定的に捉えられるようになります。
前向きな気持ちにつながる: 「できなかったこと」に焦点を当てると、過去や不足に意識が向きますが、「できたこと」に焦点を当てると、自分が前に進めている、という感覚や、次への行動への意欲につながりやすくなります。

毎日5分をこの習慣に使うのは、最初は少し難しく感じるかもしれません。習慣にするための小さなステップをいくつかご紹介します。

時間を決める: 夜寝る前や、通学・通勤の電車の中など、毎日必ず確保できそうな5分間を決めてみましょう。
完璧を目指さない: 毎日できなくても大丈夫です。数日に一度でも、思い出したら試してみることから始めましょう。
本当に小さく始める: 最初は「今日一日無事に過ごせたな」と感じるだけでも十分です。「できたこと」が一つも思いつかない、と思う日があっても、それ自体を否定しないでください。「何も思いつかない日もあるな」と受け止めることも、自分への優しさです。

毎日5分、「今日できたこと」に目を向ける習慣。これは、劇的に人生が変わるような特別な魔法ではありません。でも、日々の小さな努力を認識し、自分自身を労わるこの習慣は、少しずつ、確実にあなたの心を支え、前向きな気持ちを育んでくれるはずです。

完璧な自分を目指すのではなく、今の自分を認め、今日できた小さなことに目を向ける。そんな優しい時間を、毎日5分、自分にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。この習慣が、あなたの心を整えるための一歩となれば嬉しく思います。