毎日5分 モヤモヤを手放して心を軽くする習慣
私たちは日々、多くの情報や感情に触れています。特に学生生活では、学業のこと、将来のこと、友人関係、SNSでの繋がりなど、考えなければならないこと、気になることがたくさんあるかもしれません。気づけば、頭の中がぐるぐると同じことでいっぱいになったり、漠然としたモヤモヤを抱え込んでしまったりすることもあるのではないでしょうか。
そのモヤモヤを、すべて一度に解決しようとするのは大変なことです。でも、毎日少しずつ、心の中の「不要なもの」を「手放す」練習をすることで、心がふっと軽くなることがあります。
「手放す」とは、抱え込みすぎないこと
ここで言う「手放す」とは、何もかも忘れてしまうことではありません。抱え込んでいるものに気づき、それが今の自分にとって本当に必要か、一度立ち止まって考える時間を持つことです。物理的なものだけでなく、頭の中の考えや、心の中の感情にも目を向けてみます。
毎日5分、この「手放す」時間を持つ習慣を始めてみませんか。初心者の方でも気軽に取り組める、二つの方法をご紹介します。
毎日5分でできる「手放す」習慣
習慣その1:身の回りの小さな「手放し」
これは、物理的に身の回りにある「不要なもの」を少しだけ手放す習慣です。
-
なぜ効果があるのか 目に見える物理的な空間の状態は、私たちの心の状態にも影響を与えます。 cluttered(散らかっている)な空間にいると、心もざわざわしたり、集中できなかったりすることがあります。逆に、少しでも整った空間は、心に落ち着きをもたらしてくれます。完璧に片付ける必要はありません。たった一つか二つ、不要なものを手放すだけでも、小さな達成感と心地よさを感じることができます。これは、心理学でいう「スモールウィン(小さな成功)」の積み重ねとなり、自信にもつながります。
-
実践方法(毎日5分)
- タイマーを5分にセットします。
- 今いる場所(デスク、テーブル、ベッドサイドなど)の、手の届く範囲に注目します。
- その範囲で、「これはもう使わないな」「ここになくてもいいな」と思うものを一つか二つ見つけます。
- それらをゴミ箱に入れるか、本来あるべき場所にしまうか、手放す行動をします。
- 5分経ったら終了です。
例えば、読み終わったプリント一枚、使い切ったペンのインク、テーブルに出しっぱなしの空き容器など、本当に小さなもので構いません。「これだけ?」と思うくらい小さなことで大丈夫です。毎日続けることで、少しずつ身の回りが整い、その変化が心にも良い影響を与えてくれるでしょう。
習慣その2:心の中の小さな「手放し」
これは、頭の中でぐるぐる考えてしまうことや、心に引っかかっている感覚を少しだけ「手放す」練習です。
-
なぜ効果があるのか 私たちは、一度何かを気にし始めると、同じ考えを繰り返したり、不安を膨らませてしまったりすることがあります。これは「反芻思考」と呼ばれるものですが、これを続けても問題が解決することは少なく、むしろ心を疲れさせてしまいます。心の中の「手放し」は、こうした思考のループから一時的に抜け出し、感情や考えを客観的に眺めるための練習です。抱え込んでいるものから少し距離を置くことで、心が少し軽くなるのを感じられるかもしれません。
-
実践方法(毎日5分)
- 静かで落ち着ける場所に座るか、横になります。
- 目を閉じるか、一点をぼんやりと見つめます。
- ゆっくりと呼吸をします。息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹が凹むのを感じてみましょう。
- 「今、心の中で一番気になっていることは何だろう?」「どんなモヤモヤがあるかな?」と、自分に優しく問いかけてみます。答えを探そうとせず、ただ心に浮かんでくるものに気づきます。
- 浮かんでくる考えや感覚を、例えば「雲が空を流れていくように」「川を葉っぱが流れていくように」イメージの中でそっと見送ります。それに捕まったり、追いかけたりせず、ただ流れていくのを眺めます。
- もし考えが戻ってきても大丈夫です。「あ、また考えが出てきたな」と気づき、再びそっと見送ることを繰り返します。
- 5分経ったら、ゆっくりと意識を今の場所に戻し、深呼吸を一つします。
この習慣では、無理にネガティブな感情を追い払う必要はありません。ただ、「あ、今自分はこれを抱え込んでいるんだな」と気づき、それを手放す意図を持つことが大切です。5分という短い時間でも、心にスペースが生まれ、新しい風が入ってくるのを感じられるかもしれません。
習慣化のための小さなアドバイス
毎日5分、「手放す」習慣を続けるために、いくつか工夫を加えてみましょう。
- 時間と場所を決める: 「朝起きてベッドの横」「寝る前にデスクの上」「休憩時間の静かな場所」など、毎日同じ時間や場所で行うと習慣になりやすいです。
- 既存の習慣とセットにする: 「歯磨きの後」「食事の後」など、すでに習慣になっている行動の前後に行うと忘れにくいです。
- 完璧を目指さない: 毎日できなくても、できた日を褒めてあげましょう。5分できなくても、1分だけでも試してみることから始められます。
最後に
抱え込んでいる荷物に気づき、少しずつ手放していくことは、自分自身の心と丁寧に向き合う時間です。毎日たった5分から始めるこの習慣は、あなたの心を少しずつ軽くし、本当に大切なものや、心地よい感覚に気づかせてくれるかもしれません。
モヤモヤした時は、まずこの5分を思い出してみてください。そして、小さな一歩として、何か一つ「手放す」ことから始めてみませんか。あなたの心が、少しでも穏やかになることを願っています。