毎日5分 呼吸で「今ここ」に心を戻す習慣
忙しいあなたへ、心は「今ここ」にありますか
日々の勉強、友人との関係、将来のこと。考えることがたくさんあって、心がなんだか落ち着かない、という瞬間はありませんか。過去の出来事を悔やんだり、まだ来てもいない未来を心配したり。気づけば、心はあちらこちらに飛んでしまって、目の前のことに集中できなかったり、何をしていても心から楽しめなかったりするかもしれません。
SNSを見ていると、他人のキラキラした生活が目に入って、自分と比較して落ち込んでしまうこともあるかもしれません。情報は次々と流れてきて、頭の中は常にフル回転。そんな状態が続くと、心も体も疲れてしまいます。
でも大丈夫です。心を「今ここ」に戻すための、とてもシンプルで、毎日5分あればできる習慣があります。それは、「呼吸」に意識を向けることです。
なぜ呼吸に意識を向けると良いのでしょうか
私たちは普段、無意識のうちに呼吸をしています。でも、心がざわついているときや不安を感じているとき、私たちの呼吸は浅く速くなりがちです。逆に、心が落ち着いているときやリラックスしているときは、呼吸は深くゆっくりとしています。
これは、呼吸が私たちの自律神経と深く関わっているからです。意識的にゆっくりと深い呼吸をすることで、心拍数が落ち着き、リラックスを司る副交感神経が優位になるといわれています。
また、呼吸は「今、この瞬間」に必ず存在しています。過去でも未来でもなく、私たちは常に「今」、息を吸って、吐いています。ですから、呼吸に意識を向けることは、心が行き来する過去や未来から、強制的にではありませんが、そっと「今ここ」に心を連れ戻す手助けになるのです。
毎日5分、呼吸で「今ここ」に戻る習慣を試してみましょう
それでは、具体的にどのようにすれば良いのかをご紹介します。とても簡単ですので、ぜひ試してみてください。
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場所と時間を選びましょう
- どこでも構いません。椅子に座っていても、ベッドに横になっていても大丈夫です。
- 朝起きてすぐ、お昼休み、寝る前など、毎日続けやすい時間を選んでみましょう。タイマーを5分にセットすると、時間の心配なく取り組めます。
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楽な姿勢になりましょう
- 背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜いてリラックスできる姿勢を見つけます。手はお腹の上や膝の上に置きます。
- 目は閉じる方が集中しやすいかもしれませんが、無理なら軽く閉じるか、一点を見つめても構いません。
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呼吸に意識を向けましょう
- まずは、今の自分の呼吸を観察します。早いか、遅いか。深いか、浅いか。判断したり変えようとしたりせず、ただ「観察する」という感覚で。
- 次に、お腹や胸が膨らんだり縮んだりする感覚、空気が鼻を通るときの感覚など、呼吸に伴う体の感覚に注意を向けます。
- 可能であれば、息を「吸う」、息を「吐く」という心の声と共に呼吸を感じてみましょう。
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雑念が浮かんできたら
- 呼吸に意識を向けようとしても、色々な考えや心配事が頭に浮かんできてしまうのは自然なことです。「集中できない」と自分を責める必要は全くありません。
- 雑念が浮かんできたら、「あ、考え事をしているな」とただ気づき、その考えを評価せず、優しく呼吸に意識を戻します。これを繰り返します。
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5分経ったら
- タイマーが鳴るか、自分で決めた時間になったら、ゆっくりと呼吸に意識を向けた状態から戻ってきます。
- 体の感覚(座っているお尻の感覚、足が床についている感覚など)に意識を戻し、必要であれば軽く体を動かしてから、ゆっくりと目を開けます。
この習慣がもたらすかもしれない変化
毎日たった5分、この呼吸の習慣を続けることで、すぐに劇的な変化があるとは限りません。しかし、続けていくうちに、以下のような変化を感じることがあるかもしれません。
- 心が落ち着きやすくなる
- 不安やネガティブな考えにとらわれにくくなる
- 集中力が増す
- 自分自身の感情や状態に気づきやすくなる(自己認識が高まる)
- ストレスを感じたときに、立ち止まって心を整える余裕が生まれる
これらは、本格的なメンタルケアというほど大げさなことではありません。日々の忙しさの中で、つい見失いがちな自分自身の心と体に優しく意識を向ける、セルフケアの第一歩です。
まずは「今日」からの一歩
「毎日5分」と聞くと、それがプレッシャーになるかもしれません。最初は完璧にできなくても大丈夫です。「今日、1回だけやってみようかな」くらいの気持ちで、まずは数回、短い時間から試してみるのも良い方法です。
この呼吸の習慣は、特別な道具も場所も必要ありません。電車での移動中や、少し早く大学に着いたとき、授業の休み時間など、ちょっとした隙間時間にも取り組むことができます。
毎日5分、呼吸に意識を向ける時間を自分にプレゼントしてみてください。その短い時間が、きっとあなたの心を少しずつ穏やかに、「今ここ」に落ち着かせてくれるはずです。焦らず、自分のペースで、気軽な一歩を踏み出してみましょう。応援しています。