毎日5分 色の力を借りて心を穏やかに
私たちは日々の生活の中で、様々な色に囲まれて過ごしています。街の看板、スマートフォンの画面、友達の服、自分の部屋の壁紙など、意識せずともたくさんの色を目にしています。
心がざわついたり、漠然とした不安を感じたりする時、こうした「色」が心を整えるための小さなヒントになってくれることがあります。本格的なメンタルケアは少し敷居が高いと感じる方も、毎日たった5分、身近な色に意識を向ける習慣から始めてみませんか。
毎日5分、色に意識を向ける習慣を試してみる
この習慣はとてもシンプルです。特別な準備は何もいりません。必要なのは、「身の回りにある色」と「5分間の時間」だけです。
どのように行うか、いくつか例を挙げます。
- 好きな色を探してみる: 今いる場所で、目に入る色の中から「なんとなく好きだな」「心地よいな」と感じる色を探してみてください。それは、ペン立ての色かもしれませんし、窓の外の景色の中にある色、壁に貼られたポスターの色かもしれません。
- 特定の「心の整え色」を決める: 例えば、落ち着きたい時は青や緑、元気になりたい時は黄色やオレンジのように、自分にとって心地よい影響を与えてくれる色をいくつか決めておきます。そして、その色に関連するもの(例えば青いマグカップや緑の植物など)を5分間眺める時間を持ってみましょう。
- スマートフォンの画面の色を意識する: デジタルデバイスの画面も色で溢れています。お気に入りの写真や、落ち着く色合いの壁紙などを5分間眺めるのも良い方法です。
- 色を感じながら呼吸する: 見ている色のイメージに合わせて、ゆっくりと呼吸をしてみます。例えば、穏やかな青を見ながら、青い空気を吸い込んでいるようなイメージで息を吸い、体の中の不要なものが色と共に外に出ていくようなイメージで息を吐き出してみます。
大切なのは、「色を見る」だけでなく、「その色を見て自分がどう感じるか」に少しだけ意識を向けることです。どんな感情が湧いてくるか、体はどのように反応しているか、静かに観察してみてください。
なぜ色に意識を向けることが心を整える助けになるのか
色が私たちの心や体に影響を与えることは、心理学的な研究でも示されています。特定の波長を持つ光である色は、視覚を通して脳に伝わり、感情や自律神経に影響を与えると考えられています。
- 感情の喚起: 好きな色や心地よい色を見ることで、ポジティブな感情が自然と引き出されることがあります。これは、過去の心地よい経験とその色が結びついている場合もありますし、色が持つ一般的な心理効果による場合もあります。
- 「今ここ」への集中: 特定の色に意識を集中する行為は、一種のマインドフルネスとして機能します。色という視覚的な情報に意識を向けることで、頭の中でぐるぐる考えている悩みや不安から一時的に離れ、目の前の「今ここ」に心を戻すことができます。
- 感覚への気づき: 色を見るというシンプルな行動を通して、自分の視覚という感覚に意識を向けることができます。感覚に意識を向けることは、自分自身の状態に気づくための第一歩となり、心の声を聞く練習にもなります。
毎日5分、このように色に意識を向ける時間を持つことで、心のざわつきを落ち着かせたり、気分を少しだけ上向きにしたりする小さなきっかけを作ることができます。
毎日5分の習慣を続けるためのヒント
この習慣を生活に取り入れるために、いくつか簡単なヒントをご紹介します。
- 時間や場所を決めすぎない: 「毎日〇時にやらなきゃ」と硬く決めず、移動中や授業の合間、寝る前など、ほんの少し時間ができた時に「やってみようかな」という軽い気持ちで始めてみましょう。
- 特別なものを買わない: 新しいものを買う必要はありません。今、あなたの目の前にある色から始めてください。お気に入りの文房具の色、読みかけの本の表紙の色、外の景色など、何でも構いません。
- 完璧を目指さない: 毎日できなくても大丈夫です。週に数回でも、気づいた時に5分間でも、その行動自体が素晴らしい一歩です。できた自分を優しく認めてあげてください。
色が持つ穏やかな力は、私たちの日常にそっと寄り添ってくれます。
まとめ
将来のこと、人間関係、学業など、大学生の時期は様々な悩みや不安を感じやすいかもしれません。そんな時、「ココロをととのえる5分」の習慣として、身近な「色」に意識を向けてみるのはいかがでしょうか。
毎日たった5分、好きな色や心地よい色を眺める時間は、あなたの心を穏やかにし、「今ここ」に意識を戻す手助けをしてくれるかもしれません。それは、本格的なケアではなくても、自分自身の心と向き合う大切な時間になるはずです。
まずは今日、あなたの周りにある色の中で、一番心地よいと感じる色を探してみてください。そして、その色を5分間、静かに感じてみましょう。その小さな一歩が、あなたの心を整える穏やかな習慣の始まりとなることを願っています。