ココロをととのえる5分

毎日5分 他人と比べない時間を持つ習慣

Tags: 心の健康, 習慣化, 自己肯定感, 比較, ストレスケア

私たちは日々の生活の中で、無意識のうちに周りの人と自分を比べてしまうことがあります。特に、学業や人間関係、将来のことなど、様々な場面で他人の状況が気になり、自分はどうかと比較してしまい、心がざわついたり、焦りを感じたりすることもあるかもしれません。SNSなどを見ていると、他人の「良さそうに見える部分」ばかりが目に飛び込んできて、自分は劣っているのではないかと感じてしまうこともあるでしょう。

他人との比較は、時には目標設定のきっかけになることもありますが、多くの場合は心のエネルギーを消耗させてしまいます。自分ではない誰かになろうとしたり、持っていないものにばかり目を向けたりすることで、自己肯定感が下がってしまったり、不要なストレスを抱え込んでしまったりすることにつながるのです。

毎日たった5分、他人と比べない時間を持つ習慣

こうした「比べる心」から少し離れて、心を穏やかに整えるための簡単な習慣があります。それは、「毎日5分、意図的に他人との比較から意識を離す時間を持つ」という習慣です。

この習慣は、特別な場所や道具は必要ありません。あなたがリラックスできる静かな場所で、たった5分間、意識の向け方を変えてみるだけです。

習慣の実践方法

  1. 時間と場所を決める まずは、この5分間の時間帯を決めてみましょう。例えば、朝起きてすぐ、大学の休憩時間、SNSを見る前、寝る前など、あなたの生活リズムに合わせて選びます。場所は、落ち着いて座れる自宅の椅子や、大学の図書館の一角など、あなたが少しでも落ち着ける場所が良いでしょう。
  2. 「比べない時間」を開始する 決めた時間になったら、「これから5分間は、他人と自分を比べることをお休みする時間」だと心の中で区切りをつけます。タイマーをセットしても良いでしょう。
  3. 自分自身に意識を向ける この5分間は、周りの人(友人、家族、SNS上の誰か)の状況や評価から意識を意図的に外します。そして、意識を自分自身の内側に向けてみましょう。
    • 今、自分の体はどんな感じがしているか(肩に力が入っていないか、呼吸は浅くないかなど)。
    • 今、自分は何を感じているか(嬉しい、少し疲れた、穏やかなど、どんな感情でも良い)。
    • 今、自分は何を考えているか(今日の予定、少し気になることなど、思考そのものを観察する)。
  4. 比較の思考が浮かんできたら もし、「あの人はこれができているのに」「それに比べて自分は」といった比較する思考が浮かんできても、自分を責める必要はありません。「あ、今、比べているな」と気づくだけで十分です。そして、「今は比べない時間だった」と思い出し、そっと再び自分自身の感覚や感情に意識を戻します。

なぜこの習慣が心を整えるのに役立つのか

この習慣が心を整えるのに役立つのは、意識的に「比較モード」から離れる時間を作ることで、心の消耗を防ぎ、自分自身の状態に気づくことができるからです。

私たちは普段、外からの情報や評価に心を奪われがちですが、この5分間は自分自身の内側に焦点を当てる練習になります。自分の感情や体の感覚に気づくことで、今の自分に必要なものが何か(少し休憩が必要、誰かに話を聞いてほしいなど)に気づきやすくなります。また、「〇〇ができている他人」ではなく、「今の自分」をそのまま受け入れる練習にもなり、自己肯定感を育むことにつながるのです。

他人との比較から生まれる焦りや不安を手放し、自分自身のペースや価値観を大切にすることを思い出すきっかけにもなります。

習慣化への小さな一歩

毎日5分という時間は短いですが、続けることで少しずつ心の状態に変化を感じられるかもしれません。最初から完璧に「全く比べない」というのは難しいかもしれません。比較する思考が浮かんできても大丈夫です。大切なのは、「あ、比べているな」と気づき、意識的に自分自身に焦点を戻そうとする、その繰り返しです。

他の「ココロをととのえる5分」の習慣と組み合わせることもできます。例えば、この5分間は静かな音楽を聴きながら行ったり、温かい飲み物をゆっくり味わいながら行ったりしても良いでしょう。

まとめ

私たちは一人ひとり、異なる道を歩んでいます。他人の状況は、あくまでその人のものであり、あなたの価値を決めるものではありません。毎日たった5分でも、意識的に他人との比較から心を離し、自分自身の内側に静かに耳を澄ませる時間を持つことは、心の平穏を取り戻し、自分だけの基準を大切にするための一歩となります。

この習慣が、あなたが自分自身の心を大切に扱うための一助となれば嬉しく思います。まずは今日、試しに5分間、静かに自分と向き合ってみませんか。