毎日5分 好きなものを見て心を整える習慣
毎日忙しい中で、心はどんな状態ですか
授業のこと、アルバイトのこと、友達や家族との関係、そして将来のこと。大学生の毎日は刺激的であると同時に、様々な情報や出来事の中で心がざわついたり、疲れてしまったりすることもあるかもしれません。SNSを見ていると、誰かのキラキラした生活が目に飛び込んできて、なんとなく自分と比べて落ち込んでしまう、という経験もあるかもしれません。
現代は、意図しなくてもたくさんの情報が視覚から飛び込んでくる時代です。パソコンやスマートフォンの画面、街中の広告、様々な映像。これらは私たちの意識せずとも、心に影響を与えています。
「なんだか心が落ち着かないな」「少し疲れたな」と感じたとき、どのように心を整えたら良いのでしょうか。本格的なケアとなると少し敷居が高く感じるかもしれません。でも、大丈夫です。特別な時間や場所がなくても、毎日たった5分で心を穏やかに整えることができる簡単な習慣があります。今回は、視覚を使った「見る」という習慣をご紹介します。
毎日5分「好きなものを見る」習慣を始めましょう
この習慣はとてもシンプルです。日常の中で、あなたが「これを見るとホッとするな」「心が明るくなるな」「きれいだな」と感じるものに、意識的に目を向ける時間を持つだけです。毎日たった5分でできる、初心者の方にもおすすめの心のセルフケアです。
具体的な実践方法
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「見るもの」を見つける: あなたの周りにあるもので、見ていて心地よくなるものを見つけましょう。例えば、
- お気に入りの写真(風景、人、思い出の場所など)
- 育てている観葉植物やお花
- 窓の外に見える空や景色
- 好きな絵やポストカード
- 心が安らぐ色や形の雑貨
- ペットの寝顔や仕草
など、どんなものでも構いません。大切なのは、それを見たときにあなたの心が少しでもポジティブな方向に動くことです。いくつか候補を用意しておくと、その日の気分で選べて良いでしょう。
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見る時間を決める(目安は5分): まとまった時間を取る必要はありません。通学の電車の中、休憩時間、寝る前の5分など、あなたの生活の中で取り入れやすい時間を見つけましょう。スマートフォンのタイマーを5分セットするのも良い方法です。
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意識して見る: これが一番のポイントです。ただ漠然と眺めるのではなく、その「好きなもの」に意識を集中させてみましょう。
- どんな色をしていますか?
- どんな形をしていますか?
- 表面の質感はどのように見えますか?
- 光の当たり方はどうでしょう?
- それを見ていると、心の中にどんな感情が湧いてきますか? (「きれいだな」「落ち着くな」「懐かしいな」など)
- その対象の細部に目を向けてみましょう。
このように五感を一つ、特に視覚に意識を集中させることで、頭の中でぐるぐる考えていた悩みや不安から一時的に離れることができます。
なぜ「好きなものを見る」ことが心を整えることにつながるのか
このシンプルな習慣が心に良い影響を与えるのには、いくつか理由があります。
まず、意識を「好きなもの」や「心地よい」と感じるものに集中させることで、無意識に流れ込んでくるネガティブな情報や、頭の中で繰り返し考えてしまう悩みから注意をそらすことができます。これは、心理学でいう「注意の向け方」を変えることによる効果です。
また、美しいものや心が安らぐものを見ることは、脳に心地よい刺激を与え、リラックス効果をもたらすと考えられています。好きなものを見たときに感じる「ホッとする」「嬉しい」といったポジティブな感情は、私たちの気分を高め、心の状態を穏やかに整える手助けをしてくれます。脳科学的な視点では、心地よさを感じる視覚情報が、ストレス反応を和らげたり、ポジティブな感情に関わる脳内物質の分泌を促したりする可能性も示唆されています。
さらに、毎日意識的に「好きなものを見る」時間を持つことは、自分自身の内面に目を向けるきっかけにもなります。「私はこれを見ると心が安らぐんだな」「こんなものに美しいと感じるんだな」と、自分の感覚や感情に気づく練習になります。
習慣として続けるためのヒント
毎日5分この習慣を続けるためには、少し工夫をすると良いでしょう。
- ルーティンに組み込む: 毎朝起きた後、ランチ休憩中、寝る前など、決まった時間や行動とセットにしてみましょう。「歯磨きの後に窓の外を5分見る」「休憩時間にデスクの上の植物を5分観察する」のように決めると忘れにくいです。
- 「見るもの」を身近に置く: デスクやベッドサイド、よく過ごす場所に、見て心地よくなるものを置いておきましょう。すぐに実践できる環境を作ることが大切です。
- 完璧を目指さない: 毎日できなくても、5分集中できなくても、自分を責めないでください。「今日は3分だけできた」「眺めただけだったけど、まあ良いか」くらいの気持ちで大丈夫です。大切なのは、全くやらない日があっても、次の日にまた気軽に再開することです。
- 他の5分習慣と組み合わせる: 呼吸やストレッチなど、他の「ココロをととのえる5分」習慣と組み合わせて、その日の気分で選んでみるのも良いでしょう。
まとめ
学業や人間関係、将来への不安など、大学生は様々な心労を抱えることがあります。そんな時、心を整えることは難しく感じられるかもしれません。しかし、毎日たった5分、あなたが心地よいと感じる視覚情報に意識を向けるだけで、心に穏やかな休息時間を与えることができます。
「毎日5分 好きなものを見て心を整える習慣」は、特別な準備もいらず、どんな場所でもすぐに始められます。まずは今日、あなたの周りにある「見て心が安らぐもの」を探してみて、ぜひ5分間、じっくりと目を向けてみてください。その小さな一歩が、あなたの心を少しずつ穏やかに整えていくはずです。